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第1回「グラフィックデザイナー・徳間貴志氏」
今、Web業界、マーケティング・広告業界のみならず、多く人の注目を集めている「トリップアドバイザー」の「インフォグラフィック」(Tripgraphics)。そのインフォグラフィックを一手に制作している方がbowlgraphicsのデザイナー徳間氏です。今回の「インフォグラフィックの達人たち」は徳間氏のインフォグラフィック制作のテクニックやそのルーツ、使っているアイテム、インフォグラフィックへの想いなど3回に渡って紹介していきます。

Q:いきなりですが、徳間さんが考えるインフォグラフィックって何ですか?

今まで見えていなかった情報を分かりやすく視覚化したものだと思います。また、従来のダイアグラムからインフォグラフィックという名称を用いる最近の流れであれば、見た人の顔がほころぶようなプレゼンテーションも加わると良いですね。例えるなら、目に見えていない光線を視覚化するプリズムのような存在。光はプリズムに通すことで、各波長毎に分散され虹色のスペクトルが生まれます。新しいフィルターを加えることで、今まで見えていなかった情報が見えてくる。そして、一発で伝わるプレゼンテーション。インフォグラフィックも同様に、従来見えていなかった情報を見えるようにできる。さらに、本質まで迫るには、どちらも読み取る側のリテラシーを要求するあたりまで似ています。 ・・・でも、ルーペのように光を集約して相手を焦がすような表現もしたいですね。あれよあれよと気づけば燃えているような。そういったものは、インフォグラフィックスとは別に、グラフィックであったり広告であったりと、そちらで担いたいですけど......

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Q:なるほど、わかりやすい例えですね。その中で徳間さんが特に意識していることはありますか?

そうですね、これは「インフォグラフィックス」のことだけではなくてデザイン全般で言えることですが、混乱した情報を整理をして人をハッピーにさせる、それに「驚き」や「共感」を加えることが自分のスタイルだと思っています。最終的に「人が行動する時の動機づけ」「人が一歩踏み出すというときの背中のひと押し」そんなことができるデザインを心がけていますね。

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TRIPGRAPHICS No.15「薄毛世界地図」
http://tg.tripadvisor.jp/Thinning/

Q:それでは実際にインフォグラフィックを作る時はまずは何から手をつけますか?

まずは伝える情報の整理。ゴール(=最も伝えるべき情報)を明確にし、情報の優先順位を決めて構成要素を整理していきます。この段階で情報を地図に落とすとか、グラフにするかなどを決めて、全体のラフもほぼ仕上げていきます。このラフがあやふやなまま作り出すと、なかなか旨く仕上がりまで辿り着きません。そして、必要なイラストや写真素材を用意していきます。また、実作業を始める前にグラフィックにおけるデザインのルール作りも必要です。ルールとは「配色」「フォント」などですが、個人的には一番楽しい時間です。ルールが決まればあとは淡々と身をまかせてひたすら作業します。

Q:構成作りで気をつけていることは?

構成については、伝える情報が「何か?」ということに一番気を使います。情報を整理して優先度をちゃんと把握することが大切です。そして、扱う数字が実数値である場合や比率である場合、それらをグラフィックに落とし込んだ際に、誤解が生じるような表現になっていかないか?など検証していきます。クライアントを交えたり制作チームで打ち合わせする際には、いつも真っさらなA4用紙を持ち歩いているので、その場でラフを手書きして、意見を出しあいながら構成も決めていきます。

Q:A4用紙というのは何かこだわりがあるのですか?

打ち合わせする時は、10枚~20枚ほど白紙のA4用紙をもっていきますが、理由はやはりその場で描きながら内容を詰めていくほうが話がスムーズに進みますし、書いたらそのまま簡単にコピー取ってもらうことができるじゃないですか。それに、何枚も書いた後に並べて比較検証できる点。あと自分でもそのまますぐスキャンでき、トレーシングすれば作業も早いですから。

Q:素晴らしい!まさにA4ハックスですね。

もちろん、仕上げはイラストレーターですが、もうその段階では完成形が見えた状態になっています。多少のディテールは悩みますけど、やはりゴールを明確にしてからパソコンに向かうということの方が効率的です。

Q:ところで構成を考える時に情報整理や階層化はどのように考えてますか?

それはケースバイケースなんですが、基本的に目立たせる情報は「単体で成立するグラフィック」。目立たせない情報は「シズルのような存在」として扱う。この地図としてのシズル感の力(チカラ)加減は、経験を詰みながら身につけてきたつもりです。目立たせはしないけど必要な情報は、理解できるように「本棚の辞書のような存在」として、ギリギリ使えるように留めておく感じに。

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瀬戸内国際芸術祭2010 完全攻略MAP。 Casa BRUTUS 2010 vol.126 SEPTEMBER -Illustration_bowlgraphics : TOKUMA -Client_Magazine House

また、情報とは別に表現方法(=グラフィック)を雑誌の読者(=ターゲット)に応じて変化させたりもします。極端な例として、これらは丸の内エリアのマップですが、建物を立体に起こしたものは男性読者がメインで、平面でザックリと建物だけを表現しているモノは女性読者がメインの媒体でした。

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Q:クライアントの意図をグラフィック化する時に気をつけていることはなんですか?

クライアントの意図を汲むことは大切ですが、必ずしもクライアントの言われるがままではなく、まずは、クライアント側の視点でゼロから考えてみることです。当然、専門知識はないですから、都度クライントに質問するなどして説明してもらうのもデザイナーのテクニックの1つだと思います。質問されて初めて気がつくこともありますから。実際、クライアント側も気づかなかった展開が開け、一方的に新しいアイデアを提案するよりも、一緒に考えて見えてくることで良好に制作できることが多々あります。

Q:ちなみにデザイナーではなく一般の人が書くプレゼン資料や図解を作る時にアドバイスしてあげるとしたら何でしょうか?

なるべく立体化やシャドー、グラデーションなどの装飾を用いないことです。それら装飾自体に意味がでてしまいますから。まずは作る内容の単語を並べて、円や線、矢印などを用いて関係性を図解にしてみることです。伝えたい順序を考えてストーリーが出来上がったら、優先する順に階層化して、アクセントになる部分にはじめて装飾を加えれば良いと思います(無くても良い場合も多いと思いますが......)。でも、とにかく作ったモノを恥ずかしからずに他人に見て批評してもらう経験を積む。そして、たくさん作ることが一番だと思います。蛇足でもう一つ、デザイナーにも(むしろ?)言えますが、無駄に同じ情報を複数表示させない、意味の無い多言語併記はしないことですね。

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三菱倉庫株式会社(入社案内)
Supply Chain of Mitsubishi Logistics グローバル化に対応した国内外一体のロジスティクス事業をフローチャートで紹介。 -Design_Dynamite Brothers Syndicate -Illustration_bowlgraphics : TOKUMA -Production_毎日コミュニケーションズ -Client_三菱倉庫株式会社


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徳間貴志
1973年、新潟生まれ。中京大学社会学部卒業後、広告デザイン専門学校へ進学。その後、広告プロダクションにてグラフィックデザインやWebデザインなどに携わり、2002年に「bowlgraphics(ボウルグラフィックス)」を立ち上げて独立。国内外の雑誌・Webメディアのインフォグラフィックやマップデザイン、グラフィックデザインを手がける。現在、トリップアドバイザーにて毎週新作インフォグラフィックを発表している。
bowlgraphics
http://www.bowlgraphics.net/

著書画像1 クリエイターのための3行レシピ 地図デザイン Illustrator&Photoshop

著書:
「クリエイターのための3行レシピ 地図デザイン Illustrator&Photoshop」

著者:TOKUMA/bowlgraphics
発行:翔泳社
価格:1680円(税込)
「伝わる地図」=「美しい地図」本書は、地図をよりわかりやすく、かつ美しくデザインするためのアイデアヒント集です。また地図にはデザインの基本がつまっているので、上手に地図がつくれるようになれば、デザインの基礎力もぐんとアップするはず。もっとカッコいい地図を手間なくつくりたいというデザイナーはもちろん、デザインをはじめたばかりの人にも役立つ一冊です。
ARCHI BOX in JAPAN(アーキボックス・イン・ジャパン)~日本の近代建築トランプ~

プロダクト:
ARCHI BOX in JAPAN(アーキボックス・イン・ジャパン)~日本の近代建築トランプ~

デザイン&イラスト TOKUMA
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一枚ではなくて全体がインフォグラフィックという面白いコンセプトのトランプ。カードは日本の近代建築を中心に、4つの年代と13のビルディングタイプから選ばれています。建築をイラストで楽しみながら学べます。
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